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応じてくれないこともある?取引履歴の開示請求について

応じてくれないこともある?取引履歴の開示請求について

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カテゴリ:コラム一覧

取引履歴の請求

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一つ一つ取引を確認する

任意整理などの債務整理の前に、過去の借金に対して過払い金がある場合は返還請求を行います。過払い金請求では自身が行った貸金業者との過去の取引において利息制限法に照らし合わせた利率でどれくらいの過払い金があるのかを算出する必要があり、これを「引き直し計算」と言います。

引き直し計算については過去の取引履歴を確認します。取引履歴とはお金を借りた、もしくは返した日付や金額といった情報で返済したときに発行される領収書や契約書がこれにあたります。

しかし、実際のところ過去の自身の取引に関して全ての情報を残すのは難しいでしょうし、特に取引期間が長期になるとどこから借りたのかも怪しくなる場合もあります。こういった場合は貸金業者に問い合わせることになります。貸金業者は過去の取引情報を保管していますのでこの情報を開示してほしいと請求するわけです。

請求自体は難しくない

取引履歴の開示請求の方法は特に難しくなく電話もしくは郵送で行います。電話の場合は窓口に電話をして過去の取引履歴を全て送ってほしいと伝えます。この場合、確認事項として契約者番号、氏名、生年月日、住所を聞かれますので答えます。郵送の場合は別途「取引履歴の開示請求書」を用意する必要があります。

指定の書式はありませんが自身で一から準備するのも手間ですのでネットなどで公開されている書式を使いましょう。こちらも氏名や契約者番号などの情報と、取引履歴の開示を求める旨を記載します。届く日数については業者や住んでいる地域によって変わりますが大体2週間ほどで届くことが多いです。

請求に対する開示について

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開示義務には応じる義務がある

昔は開示請求に対して一部の期間のみの開示やそもそも開示すらしてくれない業者もいて、弁護士に相談して依頼しなければまともに応じてくれないこともありました。取引履歴がなければ過払い金は推定で計算するしかなくなります。

こういった問題の背景には貸金業者が払うべき過払い金を少なくするため、単なる事務手続きのミスで取引履歴を残していなかったりと様々ですが過去にはこういったトラブルが多く存在しました。そんな中平成17年の最高裁判において貸金業者には取引履歴の保管と開示義務があると認めた判決がでました。

その判例を受け貸金業法が改正された結果、貸金業者は開示請求には応じなければならず、もし従わなかった場合は損害賠償の対象にもなり得ます。その結果として現在ではこういった開示請求に関するトラブルは減少しましたが、それでも未開示の期間があるといったトラブルは未だにあります。

保管期間は最終返済日から10年

貸金業者が残す取引履歴については最後の返済があった日から過去10年間と決まっています。そのため、昔取引があった業者に過払い金を請求する場合は注意が必要になります。ただ、そもそもが過払い金の請求は10年前までですので完済している10年以上前の借金に関して、開示請求自体ができません。

しかし、もし借金を完済しておらず10年以上前から継続して取引があり、最後の返済日から10年経過していなければ取引履歴は保管義務の対象になりますので開示請求も問題ないでしょう。ポイントは最後の返済日からの10年という点ですので過払い金請求の前には一度最後の返済日を確認しておく必要があります。

引き直し計算の算出について

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業者に頼む

開示請求の結果取引履歴を用意することができたら引き直し計算を行っていきます。過払い金請求として弁護士に依頼している場合はそのまま任せることになりますが、こういった計算を代行してくれる業者もあります。代行業者の場合1取引につき3000円から5000円ほどの料金で引き直し計算を行ってくれます。

1取引とは一社と考えればよく、A、Bという2つの会社からお金をお金を借りた場合は2つの取引があったということになります。ただ、過払い金請求は結果的には訴訟となることになるため過払い金請求に関わらず任意整理などの債務整理に関しては弁護士に相談したほうがいいでしょう。そのため代行業者に関しては、弁護士の計算結果の確認のために利用するというように捉えておくといいでしょう。

開示してくれない期間は推定で算出する

開示請求に応じてくれず取引履歴が分からない期間があったり、取引履歴がなんらかの理由で本当に残っていない場合も中にはあります。そういった場合未開示の期間の取引については推定して算出することになります。推定算出については基本的に残してある契約書なり領収書なりを元に「過去にこういった取引があったから未開示の部分もこのような取引があっただろう」として算出します。

また、「残高無視計算」という算出方法もあります。これは開示された中での最も古い残高を0円として算出する方法で、最初の取引は0円からスタートするから残高は無視して計算してしまうというものです。この場合、残高がある場合はいきなり最初から過払い金が発生しているといった形になります。

ただ、こういった未開示の期間がある場合の引き直し計算に関しては計算自体がややこしく、また計算結果に関しては一つ一つ根拠を示す必要があります。

その他注意点

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開示請求に応じてくれない場合は行政処分を求める

電話や郵送による開示請求を行って2週間を経過しても取引履歴が送付されてこない場合は再度請求を行います。その結果、もし拒否されたり再度の請求にも関わらず取引履歴を送ってきてくれない場合は行政処分を求めます。

その行政ですが具体的には財務局に訴えることになり、窓口にて問い合わせをします。もしこういった苦情が多い場合はこれで行政が動いてくれることもありますが、「行政処分を求める申告書」を送付することでより強い訴えとなるでしょう。この行動によりもし指導が入ることになれば取引履歴の開示に応じてくれることもあります。

しかし、中にはそれでも応じてくれない業者もあり、そういった業者に対しては別途訴訟といった形で開示を求めることになります。ただ、そうなりますと個人では難しい面もありますので弁護士に相談するといいでしょう。

どこから借りたか忘れた場合

過去に借金があったがどこからいくら借りたかなどを書類を紛失してしまったといった理由で思い出せない場合もあるでしょう。もし書類も残っておらず記憶も怪しい場合は個人信用情報を確認することで解決します。

個人信用情報とは各個人の借金やクレジットカードの支払い、勤め先などのお金に関する情報を管理したものです。この情報は借金などの金融機関との取引があった際に作られ、支払い履歴や取引先などの情報や任意整理などの債務整理を行った場合も情報として記録されます。

この情報には借金の借入先も当然記録されていますので、もし思い出せない場合でも問題ありません。個人信用情報はJICC、CIC、KSCという三つの機関でそれぞれ管理していますが、借金などの情報に関してはJICC、CICが管理していますのでどちらでもいいので請求をしていきます。

請求方法は様々で、電話、郵送、また現在ではネットでも確認でき、料金は手数料の500円から1000円ほどです。その他本人確認資料として運転免許証が必要なくらいなので非常に手軽に請求できます。また、この個人信用情報には任意整理などの債務整理と異なり過払い金請求は正当な請求として記録されることはありません。

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